台風15号は昨日九州西方の海上で温帯低気圧になりましたが、奈良には今日も大雨警報が出ていたそうで、時々夕立のような雨が降りました。
平成24年3月から始まった正倉院の工事現場見学は今回が4回目です。わたしも4回応募して、今回が初当選です。
屋根瓦を葺く工事中の正倉を覆屋の中から見学しました。東大寺境内の北寄りにある正倉院正倉へは
転害門からが近いです。
すぐ近くの市営駐車場に空きがありました。
鼓阪(つざか)小学校と幼稚園を見ながら坂道をゆくと、警備員の小父さんが立っていました。
この先の受付では見学者一人一人の「個人を特定できるもの」の提示が必要でした。ここで
「正倉院現場見学通知書」(往復はがきの復)は回収されてしまいました。
見学は9時、10時、11時、12時、13時、14時、15時の7回で、これまでの見学者数をみると1回200人くらいのようですが、広い正倉内のこと、どこでもゆったりした感じでした。
正倉院展の会期中なら校倉造りの正倉を間近に見られますが、その時もこの門の先に
フェンスの結界がありました。
宝物の重要性から明治以降は国が管理することになった正倉は、現在は宮内庁が管理しています。今回の見学でも皇宮警察の腕章を付けた体格の良い男性を何人か見かけましたし、解説されている男性も「宮内庁」と書かれた札を首から下げていました。
工事用の階段で高床の分を2階へ上ります。南北に長い正倉は北倉、中倉、南倉の3室に区切られています。
北倉前の解説の終わりの部分をちょっとだけ聞きました。
校倉の檜材について。
「贅沢をした訳ではないんです。檜は切り出されてから強度を増すのが特徴で、強度は1000年くらいでピークになります。今がちょうどそのころ」
校倉造りについて。
「強度という面でも適した工法でした。丸太を6つ割りにして、その中心を外側にしたのは、弱い中心部分を外側に持ってきたから・・・」などなど。
聖武天皇遺愛の品が納められていた北倉の内部がライトアップされていました。
南倉の扉に鍵がかけられています。「宮内庁」札の男性に聞くと「鍵は模倣品」とのこと。
作りや素材を傍で見たいと思ってフロアを一巡したけれど、見学コースでは扉の正面にはゆけませんでした。模倣やと言うてもしっかり作ってはるんでしょ、見せてくれたらええのに。